路肩のチラシの奇跡
海老蔵は帰宅途中、路肩にチラシが落ちているのを見つけた。
息を詰まらせるような虹色。
しかし、好奇心は海老蔵の脳を乱反射させた。
海老蔵はそのまましゃがみ込み、チラシのタイトルを読んだ。
「代々受け継がれるポエム・・・?」
代々受け継がれるポエムのチラシだった。
しかし、このチラシにはタイトル以外の文字は見当たらない。
一体どこにポエムが書かれているというのか。
海老蔵は心に不協和を感じながらもそのチラシを2つに折ってランドセルにしまい、黙々と家に帰ることにした。
やがて海老蔵は家に着き、2階にある自分の部屋に戻ると、のぼり立ての太陽が輝く窓の外を眺めた。
クラスの皆はおそらく友達と外で遊んでいるのだろう。
しかし、僕に友達は・・・いない。
あえて言うなれば、友達はこのキモいチラシ位だ。
そうだ、このチラシは僕の友だちだ。
HAPPY END