伝説の街
僕はきれいな石を拾った.
黒い粒と白い粒のコントラストが印象的だ.
一体この石はなんていう名前なんだろう.
ぼくは専門家という人間はなんか偉そうにしていて嫌いだけど
今回ばかりは仕方ない.
脳梗塞大学の馬路孫(バジソン)名誉教授を訪ねることにした.
僕は一度家に戻り,支度をしてから家を出た.
代り映えのしない住宅街をひたすら歩く.
脳梗塞大学までは歩いて20分程度だ.
最近の太陽はやる気がないのか,南中したばかりにもかかわらず
夕焼けみたいな風景を演出している.
時々吹き付ける北風に耐えながらも,僕は脳梗塞大学へたどり着いた.
入口の門は閉まっていた.今日は休館日らしい.
どうして僕は調べてから来なかったんだろうか.
自分の用意の悪さにうんざりする.
今までだってそうだ.いつも僕は中途半端だ.
物事を深く考えないし,調べようともしないし,
人任せだし,能力もないし,人の気持ちも分からないし.
なんて駄目なやつだ.僕にはもう未来がない.